
結論から言うと、企業のローリングストックとは、備蓄食料を日常的に消費し、使った分を補充する管理方法です。期限切れや廃棄を抑えるには、最低在庫と補充ルールを明確にする必要があります。この記事は、備蓄管理の負担に悩む総務・防災・BCP担当者の方に向けたものです。オフィス常設型の社食サービスを提供する新宿中村屋が導入手順と管理方法を解説します。
ローリングストックとは、蓄える→食べる→補充することを繰り返しながら常に一定量の食品を備蓄する方法です。日常生活で消費しながら食べた分を補充することで、普段使いで簡単に備蓄ができます。
企業で実施する場合は、非常時に必要な在庫を維持する必要があります。消費だけでなく、補充までを一つの仕組みとして設計することが重要です。
参考|政府広報オンライン「今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方」、消費者庁「食品ロスにしない備蓄のすすめ」
一般的な備蓄では、賞味期限が近づいた時点でまとめて入れ替えることがあります。この方法では、担当者の作業が特定の時期に集中しやすくなります。
ローリングストックでは、次の流れを繰り返します。
・常温で保管できる食料を備蓄する
・日常の食事や防災訓練で消費する
・消費した数量を把握する
・最低在庫を下回る前に補充する
・賞味期限と保管状態を定期的に確認する
日常利用と備蓄管理を結び付けることで、味や食べ方を確認しながら非常時へ備えられます。
家庭では、使用する家族自身が食品の残量を把握することが多い傾向にあります。
一方で企業では、消費する従業員と、発注や在庫管理を担う担当者が異なります。さらに複数の部署が同じ備蓄品を利用すると、消費状況を把握できない場合もあります。そのため、企業では次のルールが必要です。
・消費してよい商品と最低在庫
・消費数を把握する方法
・補充を判断する担当者
・発注から納品までの流れ
・拠点やフロアごとの管理責任者
担当者が不在でも運用できるよう、手順を文書に残しておくと安心です。
企業がローリングストックを取り入れると、賞味期限切れを防ぐだけでなく、平常時に従業員が食べ慣れているものを非常食として利用することができます。一方で、消費後の補充が滞ると備蓄量が不足します。
メリットと注意点を理解したうえで運用しましょう。
備蓄食料を長期間保管したままにすると、賞味期限が近い商品をまとめて入れ替える必要があります。期限の確認が遅れれば、廃棄につながる可能性もあります。
賞味期限が近い食料から日常的に消費することで、期限切れによる廃棄を減らしやすくなります。また、購入時期や賞味期限を分散させれば、一度に多くの商品を入れ替える負担も軽減できます。
非常時に初めて備蓄食料を開封すると、調理方法や必要な備品が分からないことがあります。平常時に食べておけば、味や量、開封方法を確認できます。
温めが必要な食品については、停電時の食べ方も確認しておきましょう。容器やスプーン、ごみ袋なども含めて試すと、必要な備品を把握できます。
従業員から感想を集め、実際に食べやすい商品へ見直すことも可能です。
備蓄品だけを単独で管理すると、点検を忘れる可能性があります。そのため、社内の食事支援や防災訓練と組み合わせれば、定期的に在庫を確認できます。
たとえば、商品の受け取り時に賞味期限を記録し、補充時に既存在庫を確認する方法があります。定期業務に組み込むことで、担当者の記憶だけに頼らない運用になります。
日常的な消費と補充に伴い、在庫数や賞味期限を管理する手間がかかります。
また、期限の確認が遅れると廃棄に繋がる可能性があり、組み込んだだけでは食品ロスを完全になくせるわけではありません。
在庫台帳による管理と定期点検を組み合わせることが大切です。
ローリングストックに使う食料は、賞味期限の長さだけでは選べません。
平常時に消費しやすく、非常時にも利用できることが重要です。
冷蔵・冷凍食品は、停電時に保管状態を維持できない可能性があります。非常時の備蓄には、電源を使わず保管できる食品も組み合わせると安心です。
保管可能な温度や湿度、直射日光を避ける必要があるかも確認します。納品時点で残っている賞味期限も選定基準になります。
災害時には、電子レンジや給湯設備が使えない可能性があります。そのまま食べられるか、温められない場合でも利用できるかを確認します。
開封に道具が必要な商品では、缶切りなども一緒に備蓄します。水を使う食品は、調理用の水も確保しなければなりません。
ローリングストックを続けるには、従業員が平常時にも食べたいと思える商品を選ぶことが大切です。
主食だけでなく、弁当やパンに組み合わせられる汁物や副食も候補になります。防災訓練だけで消費するのではなく、日常の食事支援へ取り入れる方法もあります。
食物アレルギーや宗教上の制限などにより、同じ食品を全員へ配布できるとは限りません。原材料表示を確認し、必要に応じて代替品を用意します。
従業員の個人情報は慎重に扱いながら、代替品の保管場所や配布方法を決めておきましょう。
企業でローリングストックを始める際は、必要量を確認してから、消費と補充のルールを決めます。
食品を購入するだけでは運用は完成しません。誰が管理し、どの時点で補充するかまで明確にしましょう。
最初に、非常時にオフィスへ滞在する可能性がある人数を確認します。在籍人数だけでなく、来訪者や委託スタッフを対象に含めるかも決めます。
公的機関が示す目安と自社の事業継続計画を照らし合わせ、拠点ごとに必要量を算出します。勤務形態や周辺環境が異なるため、全社分をまとめて計算しないことがポイントです。
参考:東京都防災ホームページ「災害が起きる前に(会社・職場編)」
必要量が分かったら、主食、副食、汁物、飲料水などの組み合わせを決めます。特定の商品だけに偏らないよう、食べ方や栄養面も確認します。
次に、日常的に毎月どれくらい消費されるのかを把握・計算します。
月の中旬で大半が利用され、在庫がなくなるようであれば非常時だけでなく日常でも足りない可能性があります。1人原則1日1個までなどのルールの検討や、毎月のプラン数を見直します。
消費方法には、社内での販売、防災訓練での配布、社内イベントでの利用などがあります。
重要なのは、消費後に必ず補充することです。次の項目をルールとして定めます。
・消費数を記録する方法
・発注を行う在庫水準
・発注を承認する担当者
・納品後に台帳を更新する担当者
・賞味期限の近い商品から並べる方法
商品の利用と記録を同時に行える仕組みにすると、在庫数のずれを防ぎやすくなります。
管理責任者と、実際に在庫を確認する担当者を決めます。担当者の変更に備え、引き継ぎ先も記録しておきましょう。
確認時期は、防災訓練や設備点検など既存の業務と合わせる方法があります。商品の破損や保管場所の状態も、在庫数と一緒に確認します。
複数拠点で実施する場合は、管理方法を統一しながら、品目や数量を各拠点に合わせることが重要です。
本社だけで在庫を把握するのではなく、各拠点にも確認担当者を置くと運用しやすくなります。
台帳の形式を全社でそろえると、拠点間の状況を比較できます。
商品を移動した場合も台帳を更新します。帳簿上の数量と実際の在庫が一致するか、定期的に確認しましょう。
賞味期限が近い商品は、防災訓練で実際に配布すると食べ方の確認にもなります。社内の食事支援として、日常的に利用する方法もあります。
消費時期をあらかじめ年間計画へ組み込むと、期限直前に対応が集中するのを防ぎやすくなります。
ただし、一度に大量消費すると最低在庫を下回る可能性があります。補充時期と納品までの期間も踏まえて計画してください。
補充漏れを防ぐには、発注の基準を具体的にします。「減ったら補充する」ではなく、最低在庫へ近づいた時点で発注したり、毎月決まった定数を発注する仕組みにします。
現場担当者が消費数を記録し、本社担当者が定期的に確認する方法もあります。拠点ごとの役割を明確にし、担当者の異動時には台帳と発注手順を引き継ぎましょう。
Office Stand By Youは、新宿中村屋のシェフが開発した、常温保管が可能なスープをオフィスに常設する社食サービスです。平常時は弁当などに「美味しい社食サービス」としてプラス一品で利用できるほか、朝食サポートや間食でもご利用いただけます。
非常時には、普段から食べている食品を備蓄として活用できます。
第1回「災害食アワード」のアイデア部門において、入賞しており、災害食としても評価されています。
スープは常温で保管できるため、冷蔵庫や冷凍庫などの設備や、保管のための電源が不要です。賞味期限は製造日から1年間で、納品時には2か月以上残っています。
平常時は電子レンジで90秒ほど温めるだけで手軽に食べられます。災害時には湯煎で温められるほか、温めずにそのまま食べることも可能です。
オフィスの設備に左右されにくく、電気が使えない状況でも利用できる点が特徴です。
Office Stand By Youは毎月決まったプラン数のスープが届きます。このプラン数は在庫状況などによって変更も可能です。
そのため、「食べる→届く→備える」というローリングストックの仕組みに無理なく組みこめます。
万が一の際にも食べ慣れている、ただ栄養補給だけでない「おいしい」食事をとることが出来ます。
三井不動産ファシリティーズ株式会社様(本社)は、トライアルの売れ行きや味、防災備蓄として活用できることが決め手となり導入いただきました。
導入後は、既存の社食サービスにスープを加えて食事の選択肢を広げました。日常的に消費しながら、災害時の食料としても運用しています。
詳しくは、災害時のローリングストックとして運用する導入事例をご覧いただけます。
食事支援と防災備蓄を組み合わせる方法がわかる資料をご用意しています。
情報収集の段階でもご覧いただけます。
社内の食事支援や防災訓練、社内イベントなどで消費する方法があります。賞味期限が近い商品から利用できるよう、陳列場所や配布順を決めます。
消費した数量を記録し、補充まで完了させることが重要です。
必要な賞味期限は、点検や消費、補充の周期によって異なります。長さだけでなく、納品時にどの程度の期間が残っているかも確認してください。
日常的に無理なく消費できる量を踏まえて商品を選びます。
最低在庫と発注基準を決め、消費数を台帳へ記録します。商品を利用する担当者と発注担当者が異なる場合は、報告方法も定めましょう。
発注後は、納品と台帳の更新まで確認します。
食品の保管温度帯には注意が必要です。冷蔵品、冷凍品であれば平常時は利用できますが、万が一の際は品質の面からだけでなく、加熱しないと食べられないなどの問題も生じます。
常温で保管できるものも、直射日光や高温多湿を避け、保管条件に合う場所を確保してください。
OfficeStandByYouの導入や運用に関するよくある質問も参考にしてください。
検討段階に合わせ、次の情報をご用意しています。