企業の防災備蓄食料は何日分必要?選び方と管理方法を解説

企業の防災備蓄食料は何日分必要?選び方と管理方法を解説

企業の防災備蓄食料は、従業員1人あたり 3日分(1日3食×3日=9食、飲料水1日3L×3日= 9L)が目安です。

この記事は、備蓄の入れ替えや廃棄に悩む総務・防災・BCP担当者の方に向けたものです。

企業の防災備蓄食料は何日分必要なのか、公的機関の推奨をもとに解説します。

また、オフィス常設型の社食サービスを提供する新宿中村屋が、食料の選び方、賞味期限の管理、廃棄や入れ替えの負担を抑える日常活用の方法まで紹介します。

企業が防災備蓄食料を用意する目的

企業の防災備蓄食料は、災害発生後の空腹をしのぐためだけのものではありません。従業員の安全を守り、混乱を抑えながら事業の復旧につなげる役割があります。

地震や水害などが起きると、交通機関や周辺店舗が利用できない可能性があります。食料を準備しておけば、従業員が無理に移動するリスクを減らせます。


従業員の安全と事業継続を支える

災害時には、普段どおり食料を調達できるとは限りません。事業継続計画では、設備やデータだけでなく、従業員を支える準備も大切です。

食料を確保しておくことで、社内で待機する従業員の不安を和らげられます。復旧対応にあたる従業員の食事を支える備えにもなります。部署ごとの勤務人数や出社状況を確認し、必要な場所に分散して保管しておくと安心です。

帰宅困難者の発生に備える

公共交通機関が停止した場合、従業員がオフィスにとどまることがあります。一斉に帰宅しようとすると、道路や駅の混雑に巻き込まれる可能性もあります。

企業が食料や飲料水を準備する目的は、安全に待機できる環境を整えることです。来訪者や委託スタッフを含めるかも、事前に社内で決めておきます。

企業の防災備蓄食料は何日分必要か

内閣府は、企業に対して従業員1人あたり3日分の備蓄を推奨しています。

ただし、必要量は一律ではありません。従業員数のほか、勤務形態や周辺環境、拠点ごとの災害リスクから判断します。

参考:内閣府「災害発生時における 大規模な帰宅困難者等の発生への 対策に関するガイドライン」令和8年1月

公的機関が示す備蓄の目安

基本となるのは、社内にとどまる可能性がある人数を把握することです。その人数をもとに、主食や副食、水を組み合わせます。

水は、内閣府などが1人1日3リットルを目安として示しています。

従業員50人なら食料450食・水450L、100人なら900食・ 900Lです。

食料の数量だけを満たしても、保管場所から取り出せなければ活用できません。誰が、どこから、どのように配るかまで決めておくことが重要です。

従業員数や勤務形態から必要量を考える

従業員数は、在籍者数ではなく、災害発生時に滞在している可能性がある人数を基準にします。テレワークやフレックス制を採用している企業では、曜日による出社人数の差も確認します。

夜勤やシフト勤務がある職場では、昼間だけを想定しないことが大切です。交代要員や、復旧対応のために出社する従業員も検討対象になります。

複数拠点がある場合は、全社で一括計算せず、拠点ごとに整理します。周辺店舗の数や物流が止まった場合の影響も異なるためです。

企業向け防災備蓄食料を選ぶ5つの基準

企業向けの防災備蓄食料は、賞味期限の長さだけでは選べません。実際に食べられる状態を保てるか、従業員へ無理なく配れるかも確認します。

選定時には、次の観点を比較すると整理しやすくなります。

・常温で保管できるか

・調理や開封が簡単か

・食べ慣れた味か

・原材料やアレルギー情報を確認できるか

・入れ替えや補充を続けやすいか

賞味期限と保管条件

賞味期限が長くても、指定された温度や環境を守れなければ品質を維持できません。直射日光、高温多湿、浸水の可能性などを確認します。

冷蔵・冷凍食品は日常利用に便利ですが、災害による停電時には保管が難しくなる場合があります。防災備蓄では、電源を使わず保管できる食品も組み合わせておくと安心です。

納品時点で賞味期限がどれだけ残っているかも確認します。期限が一斉に到来しないよう、購入時期や品目を分散させる方法があります。

食べやすさと調理設備

災害時は、電子レンジや給湯設備を使えない可能性があります。そのまま食べられる食品と、温めると食べやすい食品を分けて把握しておきます。

容器やスプーン、紙皿、ごみ袋なども必要です。食料だけでなく、食べるために必要な備品を一緒に保管します。

試食を行い、味や量、開封のしやすさを確認することも有効です。平常時に食べ方を知っていれば、非常時にも配布しやすくなります。

アレルギーや多様な従業員への配慮

全員に同じ食品を配れるとは限りません。食物アレルギーや宗教上の制限、食べる機能への配慮が必要な場合があります。

対象者の情報は慎重に扱いながら、代替品の保管場所と配布方法を決めます。商品の原材料表示を確認できる状態にしておくことも大切です。

特定の商品だけに偏らず、複数の選択肢を組み合わせると対応しやすくなります。

 

防災備蓄食料の廃棄と管理負担を減らす方法

防災備蓄の課題は、購入後の管理です。倉庫に保管したままにすると、賞味期限切れを見落としやすくなります。

担当者の交代後も運用できるよう、在庫の確認方法を仕組みにしておきます。

在庫と賞味期限を一覧で管理する

管理台帳には、商品名、数量、保管場所、賞味期限、確認日を記録します。複数拠点では、拠点ごとに管理責任者を決めます。

確認日を社内の防災訓練や設備点検と合わせると、作業を忘れにくくなります。商品の追加や移動があった際も、その都度記録します。

定期的に消費して買い足す

賞味期限が近づいた商品を定期的に食べ、新しい商品を補充する方法があります。防災訓練で配布するほか、社内イベントや食事支援に活用できます。他にも、社食サービスなど普段の食事に組み込み、ローリングストックを行うのも一つの手です。

実際に食べることで、味や量、調理方法も確認できます。「備蓄しているが、従業員が食べ方を知らない」という状態を避けられます。

ただし、消費だけが進み、補充を忘れないよう注意が必要です。消費日と次回発注日を同時に決めると管理しやすくなります。

複数拠点でも運用しやすい仕組みにする

拠点ごとに異なる商品や管理方法を採用すると、管轄拠点で状況を把握しにくくなります。台帳の項目や確認時期をそろえると、全社で管理しやすくなります。

一方、必要量や保管スペースは拠点ごとに異なります。管理方法は統一しつつ、数量や品目は現場に合わせて調整します。

常温保管できる食品は、冷蔵庫や冷凍庫の空き状況に左右されません。レイアウトの異なる拠点へ展開しやすい点も利点です。

防災備蓄食料を日常的に活用するメリット

防災備蓄を「買って、しまって、期限が来たら処分するもの」にすると、管理が負担になりがちです。ふだん食べる食品を備蓄として循環させれば、期限切れと廃棄を抑えやすくなります。

廃棄を抑えながら味や調理方法を確認できる

日常的に食べていれば、従業員が味や開け方を知る機会になります。担当者も、人気のある商品や食べやすい量を確認できます。

非常時だけの特別な食品ではなく、ふだんから選ばれている食品を活用する考え方です。備蓄量を維持できるよう、消費後の補充ルールを設けます。

社内の食環境改善と防災対策を両立できる

常温の社食サービスをオフィスに常備すれば、日常で従業員の食事補助を行いながら非常時にも活用できます。食事施策と防災対策を別々に管理する必要を減らせます。

三井不動産ファシリティーズ株式会社様(本社)では、常温で保管が可能なスープの社食サービス「Office Stand By You」を導入しています。

当初はスープだけでは一食が完結しない点や、従業員に購入してもらえるかを懸念していました。しかしトライアルで売れ行きと味を確認し、既存の食事へプラス一品として取り入れています。さらに2026年8月からはごはん・パンの販売も開始し、さらに食事としての幅が広がりました。

常温保管でき、賞味期限が長いことも決め手となりました。現在は、日常的に消費しながら災害時にも使えるよう運用しています。詳しくは、防災備蓄として運用する三井不動産ファシリティーズ様の事例をご覧いただけます。

常温スープを社食と防災備蓄に活用する方法

Office Stand By Youは、新宿中村屋が提供する常温保管できるスープをオフィスに常設する社食サービスです。冷蔵庫、冷凍庫、保管用の電源を必要としません。

2026年8月時点、賞味期限は製造日から1年間で納品時には2か月以上残った商品を届けています。

賞味期限と設備面から見た活用方法

平常時は、弁当、おにぎり、パンなどへのプラス一品として利用できます。非常時には、普段食べ慣れている食品を備蓄として活用できます。

Office Stand By Youのスープは、食べるときは電子レンジで90秒温めるだけですが、レトルト食品のため万が一の際は温めずそのまま食べることが可能です。

ラインアップは8種類です。ミネストローネやクラムチャウダー、豚汁などがあります。ミネストローネとボルシチは、生野菜換算で1日の野菜摂取目安の3分の1を含みます(※1)。サービスの詳細では、商品の特徴や利用方法を紹介しています。

Office Stand By Youでは、QRコード決済を採用しています。アプリや現金管理が不要なため、備蓄品を日常的に販売する際の設備負担も抑えられます。

※1:厚生労働省「健康日本21」では、1日の野菜摂取目安を350グラムとしています。

ミネストローネ、ボルシチはその1/3量を使用しています。(生野菜換算)

三井不動産ファシリティーズ様の懸念と解決

同社では、すでに食事サービスを導入していました。しかし、おにぎりや菓子パンなどが中心で、食事の幅を広げたいという課題がありました。

Office Stand By Youの検討し、トライアルを行った結果、味と売れ行きを確認でき、導入に至りました。

導入後は、主食へスープを組み合わせる使い方が定着しています。常温保管と長い賞味期限を生かし、災害時の食料としても運用しています。


防災備蓄との併用方法や料金を確認できる資料をご用意しています。
情報収集の段階でもご覧いただけます。

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料金プランやサービス詳細はこちらから

企業の防災備蓄食料に関するよくある質問


水や食料はどこに保管すればよいですか?

従業員が取り出しやすく、浸水や転倒の影響を受けにくい場所を選びます。一か所に集中させず、部署やフロアごとに分散する方法もあります。

棚の固定や避難経路への影響も確認してください。保管場所は社内の防災計画と合わせて決めると安心です。

賞味期限切れを防ぐにはどうすればよいですか?

商品名、数量、賞味期限、保管場所を台帳にまとめます。確認時期を決め、期限が近い食品から日常利用や防災訓練で消費します。

消費と補充を一つの作業として運用することがポイントです。担当者が交代しても続けられるよう、手順を文書に残します。

調理設備がないオフィスでも備蓄できますか?

常温で保管でき、そのまま食べられる食品を選べば備蓄できます。温めを推奨する食品は、停電時の食べ方も確認しておきます。

冷蔵庫や冷凍庫がない場合は、常温食品を中心に組み合わせる方法があります。導入条件や運用に関するよくある質問も参考にしてください。

社食と防災備蓄は兼用できますか?

日常的に消費し、使った分を補充する仕組みを整えれば兼用できます。非常時に必要な数量を下回らないよう、最低在庫を決めておくことが重要です。

次の段階に応じた選択肢をご用意しています。

1.料金やサービス内容を資料で確認する

2.まずはスープの味をトライアルで確かめる

3.防災備蓄との併用について相談する